【動画】よくある間違い 「あなたも、ネットでKYTイラストを探していませんか?」↓
で配布しています。
目次
危険予知訓練(KYT)イラストについて
KYTイラストとは、職場の労働災害防止のための危険予知訓練(KYT)で使用されるイラストシート集です。
KYTでは、ある作業状況(事例)をイラストで例題として示し、その先、作業者に起こるかもしれない危険を予知するという訓練をします。
下記の例では、ドアの塗装準備を行うために、作業者が踏み台にのって、ドア上部の表面を紙やすりでペーパーがけをしている様子を表しています。
【KYTシートの例題】
引用先:厚労省
この先、この作業者に起こるかもしれない危険を予知します。すぐに思いつきそうなのは、
「踏み台のそばに物が置いてあるので、踏み台から降りる際につまづいて転倒して階段から落ちてしまう」
「保護メガネをしていないので、ペーパーで削った粉が入って、目をケガをする」
などです。
業種別、従事内容で異なる危険予知KYTイラストシート
KYTイラストと言っても、あらゆる分野に従事する人に対して、同じような作業内容(事例)のKYTイラストシートが使えるわけではありません。
KYTイラストといっても、皆さんが既にお分かりのように、どのような職場で使用するかで、適切なイラストの内容が違ってくるのです。
例えば、「製造業の職場で使用するKYTイラスト」として「医療現場用のもの」を持ってきても、作業の関連性がなく危険予知をすることができませんので、あまり意味がありません。
従事分野によって、どのようなKYTイラストシート(事例)になってくるのかを書いてみます。
製造業(工場)
KYTイラストシートとしてまず、皆さんが思いつくのが、製造業など工場等の現場を題材事例にしたものでしょう。作業内容の範囲は極めて多岐に渡りますので、KYTイラストの内容もさまざまとなります。製造業での作業例を少しだけあげてみますと…
部品加工、工具作業、フォークリフト運転、ライン作業、運搬作業 などなど
と、多くの作業があります。製造業の分野では、各社が災害防止に取組んでいますが、
残念ながら、日々、労働災害が起こっていますので、危険予知訓練に最も熱心な分野です。
【製造業のKYTイラストシートの例題】 → クレーン作業中
引用先:厚労省
医療分野(看護 介護など)
医療分野でも危険予知訓練が行われている分野です。よく知られているのは、医療分野の中でも、看護や介護での作業が対象になっているようです。
看護士、介護士による患者さんへの看護、介護作業のなかでも、ある一定の割合で事故が起こるものです。現場の状況や、どのような患者さんか、などによって作業状況が変わってきますが、KYTを行うことで、事故のリスクを低減させる取組みが行われています。
下記のサイトでKYTイラストシート集が無料で入手できるようです。↓
【医療現場用のKYTイラストシートの例題】 → 採血を行っている。
引用先:中外製薬
事務系のKYTイラストシート
いわゆる事務系のKYTイラストシートもあります。工場のものとは異なり、作業範囲、作業内容が、危険の少ない、事務所(居室)を中心とした場所が中心になりますので、危険度は大きく下がりますが、危険予知訓練により災害の発生を防止する取組みをします。
しかしながら、どんな分野の人でもきっと事務所で作業するでしょうから、ここでの作業は特別というわけではなく、どの分野の人にも共通の作業ということになるでしょう。
交通関係のKYTイラストシート
ここでいう交通関係とは、車両の運転するようなタクシー、トラック運転手などを対象にしたものになります。日々の業務でほとんどの時間を車両を運転されていますので、KYTを行っておくことは交通事故を減らす取り組みになるでしょう。
そのような長時間運転を行うような仕事に就いている方ででなくても業務で短時間とはいえ自動車を運転するようなこともありますし、普段、自動車を運転するでしょうから、そのような人にこそ、KYTは有効といえるかもしれません。
交通関係のKYTイラストは、従来のイラストのものに加え、実際の写真や、動画を用いる場合もあるようです。以下のサイトではKYT教材を無料で公開しています。
交通KYTイラストシートの例題
引用先:独立行政法人 自動車事故対策機構
その他サイト ↓
建設業のKYTイラストシート集
建設業は、高所作業や重機のような動くものの近くで作業しなくてはならないなどの特徴的な作業のため、危険と隣り合わせの業務が多いため、KYTは重要な活動です。
以下のサイトではKYT教材を無料で公開しています。
引用先:一般社団法人 仮設工業会
たとえ、同じ会社の中であったとしても職場ごとに行っている作業はそれぞれ異なりますので、同じKYTイラストが広く使えるということはあまりなく、職場毎でそれぞれの作業に適したKYTイラストを準備するのが本当は、理想的なのです。
KYTイラストシートを準備する方法とは(すぐに必要な場合)
KYTイラストシートを準備する方法として、次のようなものがあるようです。
(1)社内を探してみる
お勤めの会社の社内に過去に準備したものがないか探してみましょう。ひょっとしたら、過去に使用したKYTイラストが見つかるかもしれません。
(2)無料のKYTイラストを見つけてくる
手っ取り早く入手する方法は、ネットから見つけてくる方法でしょう。ネット上には意外にも相当多くのKYTイラストがあります。この中から使えるものを探し出してきます。これらのKYTイラストのうち、あなたの職場で行われる作業と同じようなものがあれば、使えるものがあるかもしれません。
無料のKYTイラストシートの事例集
日本伸銅協会 | 伸銅業のKYTシート集。日本伸銅協会。 |
中央労働災害防止協会 | KYTイラストシート 入選作品。中災防。 |
日本財団図書館 | 日本造船協力事業者団体連合会。 |
大磯町HP | 学校教育用のKYTシート |
社団法人 建設荷役車両安全技術協会? | 重機周りでの作業。建荷協。 |
独立行政法人自動車事故対策機構 | 交通事故に関わるもの。自動車事故対策機構。 |
交通センスを身につける危険予測トレーニング(KYT) | 動画アニメーションでKYT。本田自動車。 |
簡単!3分間交通KYシート | 運用停止中。 |
交通安全のKYT(交通安全総合ネットワーク(内閣府)) | 運用停止中。 |
医療安全 | 医療現場。学研。 |
書籍から探してくる
書籍でも、KYTシート集が販売されていますので、これを利用することもできます。(楽天ブックス、アマゾン)
すぐに使えるKYTイラストシート集(1) みんなでやろう!危険予知訓練 [ 中央労働災害防止協会 ]
すぐに使えるKYTイラストシート集(2) みんなでやろう!危険予知訓練 [ 中央労働災害防止協会 ]
危険予知訓練イラスト・シート集 [ 中央労働災害防止協会 ]
当サイトでも、危険予知訓練(KYT)イラストをご案内しています。まずは、無料KYTイラストをご請求ください。
KYTイラストシートを準備する方法とは(きちんと準備する場合)
自分たちで作成する
あなたの職場で行われる作業を観察し、気になる作業を取り上げ、KYT素材に仕上げます。これが一番の正攻法となります。時間がかかりますので、月例の職場安全会議の数日前に、ちょちょっと仕上げる、なんてことは無理でしょう。
当サイトでは、どうやったらうまく「自分たちでKYTイラストシートを作成できるか?」について、「特別レポート」にてご案内しています。まずは、無料KYTイラストシート集をご請求ください。
過去の労働災害事例を参考にしてみる
あなたの会社、職場では、過去に、残念にして発生してしまった災害の状況を、再発防止のために、社員全員に共有化しているのではないかと思います。この過去に起こった災害を取り上げてKYTイラストシート集に仕立てるのも一つの方法でしょう。自社の例なので、作業内容も職場メンバーにしっくりくるものになる可能性が高いです。
また、厚労省のHPには、労働災害事例が多数掲載されていますので、あなたの職場で参考になるものがもしあれば使ってみてもいいかもしれません。下記は、厚労省のホームページにあった労働災害の一例です。↓
木工用丸のこ盤でアルミ板を切断中、のこ歯に接触し死亡
引用先:厚労省
危険予知訓練(KYT)とは
製造業、建築業のみならず、いろんな業界で、労働災害は年間を通じて絶えず発生しており、これを防ぐのが管理者の責務の一つです。安全と思われている業界でも年に何回か重大な災害が発生しているのが現実です。厚生労働省の発表によれば、平成22年度の製造業、鉱業などを含む全産業での死傷者数は10万7759人にものぼり、企業はこれらの災害を未然に防ぐ責務を負っています。
危険予知訓練は、このような災害を防止するのに有効な手段の一つとして知られています。作業状況のイラストを使ったり、あるいは、実際に見せたりしてそこに潜む危険を予知する訓練で、労働安全活動の一部としてよく用いられるものです。
企業の安全衛生活動は、ただ講義を受けたり、配布される資料に目を通すだけの受身なものになりがちですが、危険予知訓練はチームを形成しての活動なので、自発的に参加ができ、災害防止に有効な方法です。
危険のK、予知のY、訓練(トレーニング)のTをとって、KYTといいます。
KYTの歴史(4ラウンドKYT、4R KYT)
KYTは昭和49年に住友金属工業で開発されたもので、その後昭和53年にゼロ災運動の
4ラウンド法と組み合わされ、「 4ラウンドKYT (4R KYTと略される場合もあります)」となりました。
現在、企業で行なわれている、KYTと呼ばれるものは、実は新KYTといわれるもので、この 4ラウンドKYT と指差呼称を組み合わせられたものです。単なる危険予知を行なうのではなく、「危険のポイント」や「チーム行動目標」を「指差唱和」したり、手を触れて「タッチ・アンド・コール」を行なうことにより意識が高まり、すぐれた実践活動手法となっています。
海外でもKYTの研修が実施されており、KYTの中で行なわれる「タッチ・アンド・コール」は、海外のそれぞれの国の言葉で唱和がされています。
台湾 零災害 好! リャンツァイ
シンガポール Let's go for Zero Accident OK!
韓国 ジェロ ジェロ ナガジャ チョワ!
参考資料:安全衛生実践シリーズ あなたのKYT(田辺肇、中央労働災害防止協会)
KYTのやり方(4ラウンド(4R)法)
イラストにかかれた作業の中にどんな危険が予想されるか、ひそんでいるかを、チー
ムメンバーで話し合い、4つのラウンドを通して進めていくものです。4つのラウンドとは以下の様になります。
1)危険を予想し、見つけ出す
イラストを見てその中にどんな危険が予想されるかを、話し合います。「~なので、~と
なる」というような具合で危険を予想します。たとえば、「足元に工具が置いてあるので、
転倒する」という具合です。
この段階では、メンバーから出された「危険案」の内容をむげに否定しないで、寛容的
に広く予想をすることが必要です。
2)危険のポイントの選定
1)で発見された複数の危険の内容のうち、重要と思われる危険をいくつかピックアップ
し(○印)、さらに最も重要な危険を選定し、◎印をつけます(2つほどに絞ります)。
3)具体的な対策立案
2)で◎印をつけた危険のポイントについて解決のための対策をそれぞれ立案します。
具体的な対策が必要です。
4)チーム行動目標の設定
3)で立案した対策を絞り込んで、重点実施項目とします。この実施項目を実践するため
のチーム行動目標を設定、最後にチーム全員で起立、指差し唱和して確認します。